MARKETING TRACE
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企業やブランドのマーケティングをなぞり、自分たちの仕事に活かすための方法論です。
観察し、考え、置き換える。その繰り返しが、マーケティングの見方を変えます。
ORIGINS
マーケティングトレースは、2018年になぞる代表の黒澤が考案した学習の方法です。
優れた企業やブランドのマーケティングをなぞり、自分たちの仕事に置き換えて考える。その手順を、コミュニティと研修の現場で磨いてきました。
基礎となる思考法から、AIを活用した実践まで、状況に合わせてご覧いただけます。

『AI時代に差がつく マーケティング思考力トレーニング』
黒澤友貴・矢倉和雄 著/フォレスト出版|2026年10月
AIを情報収集や仮説出しのパートナーに活用しながら、人が問いを立て、次の一手を判断するための進め方をまとめています。

STEPS
好きなブランドや気になる企業を題材に、選ばれる理由を読み解きます。
特別なマーケティングの知識がなくても、4つのステップに沿って考えることで、新しい発見が生まれます。
観察する → 考える → 読み解く → 活かす。この繰り返しが、マーケティング思考を鍛えます。
SIMULATION
MARKETING TRACE SIMULATION
何気なく立ち寄る、駅前のカフェ。そのお店は、なぜ選ばれているのでしょうか。どんな人が、どんな理由で訪れているのでしょうか。
仮想カフェを題材に、観察から市場変化・顧客・コンセプト・4P・成果までを、同じ言葉の流れでなぞります。
各SCENEでは「いま何をトレースしているか」を示しながら進めます。いつもの風景も、マーケティングの視点でなぞると、違って見えてくるかもしれません。
このコンテンツは、架空のカフェを題材にした思考シミュレーションです。観察・仮説・戦略設計の考え方を疑似体験することを目的としています。
SCENE 01|観察
料理や接客の評価以外に、何が見えてくるだろう?
このSCENEでわかること:見たことと解釈を分けて記録する
一般的には料理や接客の評価に目が向きがちですが、マーケティングトレースでは、人がその場所をどう使い、どんな過ごし方や関係をつくっているかを観察します。

入店から着席まで
どこで立ち止まり、何を見て、どう席を選ぶか。店に入るまでの動きも、観察の対象です。
席と持ち物
窓際・壁際・中央などの選び方、荷物や上着の置き方。空間のどこを、どう自分の場所にしているかを見ます。
過ごし方の変化
注文後に何を始め、どのタイミングで切り替えるか。一杯のあいだに起きる小さな変化を追います。
人とのやりとり
同行者、店員、他の客との会話や距離の取り方。一緒にいる人と、ひとりの時間の使い方の両方に目を向けます。
場のルール
声の大きさ、席の譲り方、長居や相席への反応など。明文化されていない約束事も、場の使い方を示します。
空間や道具の影響
電源、テーブルの広さ、音楽、照明、カップやトレーが、行動にどう関わっているかを見ます。
当たり前にある日常を観察すると、何がわかるだろう?
一人で来た客が、窓際の席に座り、飲み物を置いてスマートフォンを見る。ここから「仕事をしている」「誰かを待っている」と決めつける前に、まずは見たことを分けて記録します。
観察だけで本人の気持ちを断定しないことが大切です。行動の理由は、本人への聞き取りや、別の場面との比較を通じて確かめます。
観察メモは「見たこと/考えたこと/まだ分からないこと」の3つに分けると、事実と解釈が混ざりにくくなります。
SCENE 02|市場変化の仮説
AIが当たり前になる時代に、人は何を求めるのだろう?
このSCENEでわかること:事実と仮説を分けて、市場の変化を置く

生成AIが仕事に浸透し、情報収集や文章づくりが速くなる。
ここまでは、多くの職場で起きつつある変化です。
その一方で、こんな欲求が生まれるかもしれない。
自分の頭でゆっくり考えたい。情報から距離を置きたい。デジタルから離れた時間を持ちたい。
一冊の本に集中したい。人と直接、話したい。
これは実証された傾向というより、確かめるべき仮説です。
効率化が進むほど、あえて効率化しない時間にも価値が生まれるのではないか。
ここで置いた仮説が、次の顧客セグメントとインサイトにつながります。
SCENE 03|顧客セグメント
このカフェを訪れる人は、みんな同じ理由で来ているのでしょうか?
このSCENEでわかること:来る理由の違いで顧客を分ける
年齢や職業で分ける見方もありますが、ここでは「何のために来るのか」「何を基準に選ぶのか」で顧客セグメントを分けてみます。
| 観点 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 早さ | |||
| 価格 | |||
| 立地 | |||
| 座席・電源 | |||
| 静けさ | |||
| 本や人との出会い |
選んだ顧客セグメントの欲求が、次の顧客インサイトにつながります。
SCENE 04|顧客インサイト
新しい市場の変化から、ターゲットを考え直すと、何が見えるだろう?
このSCENEでわかること:市場変化と欲求が重なるところを見つける
市場変化の仮説と、顧客セグメントの欲求が重なるところに、インサイトの手がかりがあります。
SEGMENT|AI疲れのビジネスパーソン
「毎日AIを使っている。でも、何も見ず、何にも急かされず、自分の頭で考える時間が欲しい。」
市場変化の仮説
生成AIやデジタルツールを毎日使い、情報処理が増えている。
顧客の欲求
自分で考える時間を意識的に持ちたい。読書や対話に価値を感じる。
利用場面
仕事帰りに、駅前で立ち寄れる場所を探している。
顧客インサイト
3つが重なるところに、まだ満たされていない顧客価値の可能性があります。行動と欲求で顧客を捉え直し、次のコンセプトにつなげます。
SCENE 05|ブランドコンセプト
誰の、どんな場所になるのか。
このSCENEでわかること:誰の、どんな場所かを一文で示す

はじまりは、普通のコーヒーショップ。
1Fは、これまで通り気軽に立ち寄れる場所として残します。
2Fに、選書された本屋が加わる。
棚に並ぶのは、ゆっくり考えるきっかけになる本。
読書をする人が集まりはじめる。
一杯のコーヒーと一冊の本。滞在の理由が変わります。
週1回、スマートフォンを使わない読書会が生まれる。
読書を通じて、新しい視点や人と出会える。
AI疲れのビジネスパーソンの駆け込み寺。
CONCEPT
AI疲れのビジネスパーソンの駆け込み寺。
提供価値AIやデジタルツールから一時的に離れ、本を読み、自分の頭で考える時間を取り戻せる場所。
このコンセプトが、次の4Pの設計の軸になります。
SCENE 06|4Pの設計
コンセプトは、4Pの組み合わせでどう形になるだろう?
このSCENEでわかること:コンセプトが商品・価格・場所・伝え方にどう表れるか見る
4Pは別々の施策の寄せ集めに見えがちですが、コンセプトから生まれ、組み合わさることで顧客体験になります。顧客セグメントを切り替えて、設計がどう変わるか確かめてください。

CONCEPT|SEGMENT C
AI疲れのビジネスパーソンの駆け込み寺。
「毎日AIを使っている。でも、何も見ず、何にも急かされず、自分の頭で考える時間が欲しい。」
SCENE 07|顧客体験・事業成果
顧客の捉え方を変えると、あなたの事業はどう変わるだろう?
このSCENEでわかること:6つをつなぎ、反応から見直す循環を見る
ここまでのSCENEで置いた観察・仮説・設計を、同じ語彙で一枚に並べます。顧客体験と事業成果を見たあと、反応から見直す循環までがマーケティングの仕組みです。
市場変化の仮説
効率化が進むほど、考える時間に価値が生まれる。
顧客セグメント
AI疲れのビジネスパーソン。
顧客インサイト
何にも急かされず、自分の頭で考えたい。
ブランドコンセプト
AI疲れのビジネスパーソンの駆け込み寺。
4Pの設計
カフェ×書店×読書会、会員制、駅前の2フロア、「AIを閉じて、本をひらく。」
顧客体験・事業成果
来店頻度、読書会の参加、会員の継続を確かめる。
反応から見直す
ここまでで終わりではありません。顧客の反応や成果を確かめ、セグメント、コンセプト、4Pを見直す。この循環が、マーケティングを組織の仕組みにします。
顧客の捉え方を変えると、あなたの事業はどう変わるだろう?
市場・顧客・戦略・組織をつなぐ考え方「システミックマーケティング」を読む →TRY
LEVEL 1|一人でなぞる
気になるブランドや企業のWebサイトを入力して、マーケティングトレースを始めてみましょう。
AIが公開情報をもとに、顧客・提供価値・マーケティング施策などを整理し、考えるためのたたき台を作成します。
出てきた内容を見ながら、気になったところを深掘りしたり、自分たちの仕事に置き換えたりしてみてください。AIの回答がすべて正しいとは限りません。顧客の声や自分の経験と照らし合わせながら、問いを重ねることが大切です。
TOGETHER
LEVEL 2|みんなでなぞる
同じブランドを見ても、人によって気になるところは違います。
それぞれが持っている情報や経験が異なるからです。
それぞれの視点を持ち寄ることで、一人では気づかなかったことが見えてきます。
STPや4Pなどのフレームワークを共通の視点にすると、異なる意見を比べ、話し合いやすくなります。
フレームワークが、部門を越えて考えるための共通言語になります。
ORG
LEVEL 3|組織で活かす
全員がマーケティングの専門家になる必要はありません。
営業には営業の、商品開発には商品開発の、経営には経営の仕事があります。
その違いを大切にしたうえで、一人ひとりが自分の仕事と顧客・市場とのつながりを考えられること。その理解を部門の中に閉じず、つなげていくことを目指します。
マーケティングトレースは、個人がマーケティングを理解するための方法であり、組織がマーケティングを共通言語にするための方法でもあります。
なぞるは、マーケティングトレースを通じて、そんな組織づくりを支援しています。