マーケティングトレースは、株式会社なぞる代表の黒澤友貴が2017年に開発した、マーケティング思考力を体系的に鍛えるトレーニング手法であり学習コミュニティです。「マーケターの筋トレ」をコンセプトに、企業のマーケティング戦略をフレームワークで分析・言語化することで、戦略の引き出しを増やし、優れた戦略を考える力を養成します。1万人規模のマーケターが集まる学習コミュニティに成長し、全国300回以上のワークショップ実施、書籍出版、企業研修、地方展開、生成AIを組み合わせたワークショップ開発など、多様な形で活動を広げています。ワークショップ実績: アドビ株式会社、株式会社Schoo、株式会社日本経済新聞社、テテマーチ株式会社、各地方自治体・企業(敬称略)実施期間: 2017年~継続中参加者規模: 累計1万人以上のマーケターコミュニティワークショップ実施数: 300回以上実際に行っているワークショップ資料は下記に公開しています。マーケティングトレースWorkShop資料2025背景マーケティング活動の多くは、「戦略なき実行」に陥っている。広告運用やSNS実施など特定チャネルの最適化に終始し、「なぜその施策なのか」「競争優位をどのように築くか」といった戦略が欠けたまま、マーケターは日々の実行に追われていると感じてきました。もしくは、マーケティングという領域は捉えどころがなく、組織において重要性が下がってしまうこともある。これらの背景には、マーケティングの学習・日々のインプットに課題があると考えました。マーケティング学習の壁マーケティングを学習する上で、下記3つの課題があると定義ををしました。1. 体系的な学習機会の不足マーケティング実務に関わる人にとって「GoogleやMetaなどのプラットフォームが推奨するアルゴリズムを学ぶ」「書籍を読んでみる」といった部分的、属人的な学習が中心になっている。フレームワークや戦略思考を体系的に学ぶ場が圧倒的に不足しています。2. 戦略と戦術の分断広告運用やコンテンツ制作といった戦術レベルの業務に忙殺され、「戦略→戦術→実行」という一気通貫の思考をする、実践する機会が少ない。結果として、施策が点在し、全体最適に取り組むことができず、成果が出ない悪循環に陥る。3. 成功事例から学ぶ仕組みの欠如優れたマーケティング戦略を持つ企業は存在しますが、その成功要因を構造的に理解し、自社に転用する方法が体系化されていない。事例を「なんとなく記事で読んで参考にする」レベルで終わってしまっている。これらの課題を解決しようと体系化したのがマーケティングトレースです。コンセプト:優れた模倣なぜ、このような思考トレーニングをつくり、コミュニティをつくったのか。開発者の黒澤自身も、マーケティング業界に新卒入社したキャリア初期は、広告運用のCPAやクリック率の改善提案が中心となっており、経営層にまともに相手にされない日々を送っていました。しかし、優れたビジネスモデルを持つクライアント企業とのプロジェクトを通じて、「戦略がなければ広告をいくら最適化しても無意味」ということに気づきます。トレースという考え方のインスピレーション元となったのは『模倣の経営学』という書籍です。この書籍から「優れた対象を模倣することから優れた戦略を生み出すことができる」という示唆を得ました。競合他社や異業界の優れた事例を分析し、クライアントに持っていくことで、経営者との対話が深まり、戦略レベルの提案ができるようになったのです。この現場での試行錯誤が、マーケティングトレースの原型となりました。「優れた模倣」を実現する3つの方法論マーケティングトレースは、単なるフレームワーク学習ではありません。成功企業の戦略を分解し、本質を見出し、徹底的に模倣する体系的なトレーニング手法です。1. 優れた模倣の3原則井上達彦『模倣の経営学』で提示された「良い模倣の条件」を実践の核に据えています。- 遠いところから真似る: 同業他社ではなく、まったく異なる業界の優良企業を分析することで、固定観念を打破し、新しい視点を得る- 本質から真似る: 表層的な施策(広告手法、デザイン)ではなく、ビジネスモデル・組織文化・戦略の構造そのものを理解する- 徹底的に真似る: 対象企業の戦略を構造化し、全体像を掴むことで、自社への転用可能性を高めるこれらの考え方をもとに、マーケティング領域における優れた模倣から戦略を学ぶ、実践する方法を体系化させていきました。2. 5つのフレームワークによる構造化マーケティングトレースでは、マーケティング戦略を「なんとなく理解する」のではなく、明確に言語化・図解するために、5つの基本フレームワークを活用します。1. PEST分析:政治・経済・社会・技術の4要素から、環境変化を理解する2. 5Forces分析:競合・新規参入・代替品・買い手・売り手の5つの要素で業界構造を分析3. STP分析:顧客セグメント定義と優先順位の明確化、その顧客に選ばれる理由を定義4. 4P分析:価値の届け方の設計として商品・価格・流通・広告の4要素を設計5. KSF分析:戦略の本質抽出「なぜ選ばれ続けているのか」を自分の言葉で要約最後に、自分がCMOマーケティング責任者だったらどうするか?のアイデアを考えます。これらのフレームワークを通じて、企業の戦略を構造的に理解し、自社に転用可能な形で蓄積していきます。このトレースした内容を1枚絵でまとめるワークシートを作成しています。下記からワークシートはダウンロード可能です。https://comemo.nikkei.com/n/n8c3c12ef1431コミュニティ学習の考え方マーケティングトレースの学習コミュニティは、以下の3要素を備えた「実践共同体」として学習体験をデザインしています。マーケティングは一つの正解が決まるわけではありません。そのため、自分なりの仮説を言語化し、それをコミュニティ内の他者との対話から深めた利することが重要だと考えています。「コミュニティオブプラクティス」の学習理論を参考に、コミュニティをつくりました。コミュニティ学習の仕組み学習コミュニティとしてのマーケティングトレースでは、以下のサイクルにより、個人の学習が組織の知識へと進化する仕組みを設計しています。1. 個人の実践: 参加者がマーケティングトレースを実施2. 発表・共有: ワークショップやSNSでのアウトプット3. 相互フィードバック: 他の参加者からコメント・質問を受け、思考を深掘りする4. パターン化: 繰り返し実施することで、優れた思考の型が浮かび上がるコミュニティ内で場をつくり、継続できる仕組みを構築5. 伝承: 後発の参加者が先輩の実践から思考の基準を学び、新たなサイクルへこのサイクルを通じて、曖昧に語られやすいマーケティングという考え方が具体的になり、社会に浸透させることを目的としてきました。ワークショップ実施(300回以上)マーケティングトレースのワークショップは全国で、自治体、企業、コミュニティなど様々な方々とご一緒しています。その一例をご紹介します。企業連携ワークショップテテマーチ株式会社【第10回 テテステージ開催報告】ゲストはマーケティングトレース主宰・黒澤氏- 「成長企業に共通するマーケティング戦略」をテーマに実施- グループワークで「もし自分がテテマーチのCMOだったら?」という問いに取り組む- 参加者が周辺的参加から実践的参加へ移行する契機Adobe「マーケティングトレース」でマーケティング思考を手に入れよう- ウェビナー形式でマーケティングトレースの方法論を解説- ワークシート配布により、個人の自律的な学習への移行を支援SchooSchoo マーケティング トレース チャレンジ- 「マーケティングトレースチャレンジ」としてオンライン講座を展開- オンラインの参加型学習により全国のマーケターが「マーケティング思考」を学ぶ機会にその他にも様々な組織・コミュニティとワークショップをご一緒してきています。地方でのワークショップ展開また、各地域の特性を踏まえて、マーケティングを考える場をご一緒してきました。- 札幌: 北海道の優良企業であるセイコーマートをトレース対象に地方企業の成功要因を分析- 別府: 「マーケティングトレース for ローカル」として実践- 名古屋: でらマーケ勉強会Vol.10でワークショップ実施地方の各地域でコミュニティが立ち上がり、自発的に学習会が展開される構想を実現しつつあります。企業研修・社内勉強会マーケティングトレースは、企業の戦略思考育成にも活用されています。- 社内勉強会: 海外の最先端事例をトレースし、自社の戦略立案に活かしたり、自社と競合を比較してトレースし、戦略の共通言語をつくるワークショップを実施- 新人教育: マーケティングの基礎思考を体系的に学ぶ入門プログラムを実施「戦略→戦術→実行」の一気通貫思考を身につけ、マーケターの思考レベル向上に繋げる、組織全体の戦略思考レベルが底上げに活用していただいています。マーケティングトレース with 生成AI2025年現在、マーケティングトレースは、生成AI時代に合わせて進化させています。以下のような生成AIツールを活用して、生成AI時代のマーケティング思考力を磨くトレーニングとして確立をさせていきたいと考えています。- ChatGPTプロジェクト活用: 体系化されたプロンプトを活用し、複数企業を一気にトレースをしながら比較分析をする- Cursor活用: コード不要でデータ分析やKPIツリー生成、ビジネスモデル分析を実行- Notion AI活用: 市場調査、SWOT分析、コンテンツ戦略の自動立案を支援AIを活用して、従来2時間以上かかっていたトレースを30分で完成させ、残り時間を深い分析と仮説構築に充てるような、戦略思考プロセスの変化を理解できる仕組みとしています。実際にプロンプトや設計の全体像をmdファイルで共有しながら、複数企業のトレースを同時進行し、業界横断の戦略パターンを抽出するようなワークショップを実施しています。Marketing for Allを体現するために株式会社なぞるは、「Marketing for all」をミッションに掲げています。マーケティングトレースは、その実現のための基盤となるプロジェクトです。私たちは、マーケティングが一部の専門職だけのものではなく、すべてのビジネスパーソンが身につけるべき基礎スキルだと考えています。マーケティングトレースを通じて、日本全体のマーケティングリテラシーを底上げし、企業・地域・個人、様々な立場の人たちが価値創造を実現できるための環境をつくっていきます。関連リンクメディア掲載- Adobe Business Blog: 「マーケティングトレース」でマーケティング思考を手に入れよう- ライフハッカー: 思考力は模倣で鍛える。マーケターの筋トレ「マーケティングトレース」- MarkeZine: 戦略の引き出しを増やす「マーケターの筋トレ」とは?- ARCC Vision: マーケティングトレース誕生の背景、想い、苦労に迫る参考教材・コミュニティ- 日経COMEMO: 『マーケターの筋トレワークシート』大公開- Schoo: マーケティングトレースチャレンジ- note: マーケティングトレース完全ガイド- マーケティングトレースMiroボードお問い合わせマーケティングトレースの社内勉強会実施、企業研修、地方自治体向けプログラムについては、株式会社なぞるまでお問い合わせください。株式会社なぞる公式サイト執筆: 株式会社なぞるプロジェクト主宰: 黒澤友貴